望月健太 ゼネコン×モダン人

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2003年卒。早稲田大学理工学部出身。
2005年に大成建設株式会社に入社。
御茶ノ水ソラシティや大手町タワーなどの開発プロジェクトを手掛ける。

 建築学科を選択した理由
実家が工務店ということもあって、
なんとなく漠然と選んだのが建築学科でした。

早稲田の付属校である早稲田高等学院出身なのですが、
理系の中で選べる学部学科を考えた時に、消去法的に建築かなぁと考えていました。
一方で、クリエイティブなことに取り組んでみたかったというのは頭にあったんだと思います。

建築学科の進路は大きく分けて2種類あり、デザイン側とエンジニアリング側です
4年間建築学科で勉強してみて、デザイン側は才能や発想力が必要で、そちら側の自信はなかったのと、理論的に積み上げていく分野が自分に合うなと思い、エンジニアリング側に行きました。
なかでも都市環境という分野に興味が引かれました。
ごりごりのエンジニアリング、ということではなく、まちづくりや仕組みづくり、デザイン的な領域もあったので、クリエイティブなことにつながるのではないか、というのが選択の理由でした。

設計課題やレポートにも追われて忙しい学部生活を過ごしていました。
なんとかバランスを取りながら、競技ダンス部との両立ができました。

 

■社会で自分の何を活かすか

大学・大学院での研究や自己分析を踏まえて、設計系の仕事ではない方向で考えていました。
就職するときはちょうど六本木ヒルズや丸ビルなど、
新しい時代のビル・開発が東京に生まれてきた時期でした。


そういう背景もあってダイナミックなまちづくり、プロジェクトに関われる業界会社に行きたいと思うようになりました。

当初はデベロッパーや鉄道会社の開発部門を中心に見ていましたが、たくさんの方から話を聞いてみるうちにゼネコンにも都市開発関連の仕事があることも分かり、候補に入れるようになりました。

ちなみに、建築学科でもゼネコン、設計事務所だけではなく、
広告系であったり、全く違う業界であったり様々な進路を選ぶ学生も多いですね。
競技ダンス部の後輩たちもそうです。
クリエイティブに関する学びを活かせるフィールドが増えているということなのでしょう。

いくつかいただいた内定から、今の会社に決めたのは、
やはり人と社風でした。
とはいえ、社風は結局は入ってみるまで分からないので
OBOG訪問などであった人から、誰と仕事したいか、が軸になっていたと思います。
組織は大事ですが、結局組織も人の集まりなので。

 

■厳しい就職活動を乗り切れた理由
1つは研究室の環境です。
企業、国の方とプロジェクトをやる機会が与えれており、
プレゼンするときのコツやストーリー性の作り方はその時に学べていました。

もう1つはやはり競技ダンス部です。
当時はOBも先輩もめちゃくちゃ厳しかったですし、
その中でパートナーと最後までやり遂げる、という経験はかなり貴重な経験になりました。
また、技部長をやっていたので人前で話すのにも慣れましたし、
自分の考えやダンス技術について理路整然とアウトプットする、ということを学べていました。

また、ジャッジからどう見えるか、というのを戦略的に考えるようになっていたので、
審美眼なども身についていたと思います。
ある意味学生らしくない姿勢が身についているのはダンス部の部員の特徴かもしれませんね。

内定もらった後に、君良かったよ!!って言われても逆に普通のことをしてるつもりだったので
当時は全然ピンと来ていませんでしたが、今考えればダンス部の経験は大きかったんだと思います。

 

■実際のゼネコンの現場
ゼネコンの都市開発の分野の仕事をしています。
基本的にはゼネコンというのは建設工事で利益を出す会社です。
なので、土地建物への投資などが関係してくる都市開発の部門は王道ではない部門になります。

その点では正直会社内の意思判断を通すために苦労する点もあったりします。

ただ、逆にゼネコンという多様な技術者を持つ会社だからこそ
総合的にやれる強みがあり、論文で発表できるような新しい技術をいくつも取り入れることなどが可能でした。

また、都市開発・まちづくりの仕事では、行政・企業・地元の方々なとの様々な関係者の理解を得る、というのが非常に重要になります。
時には合意形成をするために地域に入って、しっかりと権利者さんと話していきます。

人のつながりは学生時代から大事にしていたところでした。
デザインのセンスも大事ですが、実行力、推進力。
人を巻き込んで都市を作っていくのがこの仕事の一番の魅力でした。
(もちろん一番大変なことでもあります)

幸運なことに大手町や御茶ノ水の開発案件な
ど、地図に残る大きな案件を手掛けることができました。

今は自社開発というよりは、お客さんの土地をどうやって有効活用するか
という企画提案の仕事をしています。
コンペをやって案件を取りに行く、という場合もあります。
全国様々な案件を担当しているので、
南は沖縄、北は北海道と、全国飛び回っています。

うちの会社のキャッチコピーに、地図に残る仕事、というのがありますが、
まさにその通りの仕事ができているのでやりがりには事欠きません。


■学生へのアドバイス
学生のうちだからこそ、色々な業界を見ることができます。
今の時代、情報も多く、逆に絞りにくいのではないでしょうか。
だからこそ、実際に人に会ってみてください。

その時に調べられるだけ前情報を頭に入れて、漠然とではなく明確な目標を持ってやるといいと思います。

また、自分自身のことをしっかり分析してください。
都合のいい自己分析ではなく、しっかりと自分に向き合うことが大事です。
自分の負の部分にこそ目を向けるべきです。

外の環境分析と、内の自分分析

仕事はプロセスでしかありません。
しっかりと自分の性格とやりたいことのすり合わせをしましょう。

今はやりたくことがなくてもいいんです!
自分の可能性はいくらでも広げていけます。

実際都市開発の分野も、開発をどんどん進めていくだけではなく、作ったそのあと如何に運営していくか、というい時代になってきています。

何を作る?誰が使う?
トレンドは常に変わり続けます。
なので、私自身も勉強会などに参加して常にアップデートしています。

就職活動の時期に確固たる自分の芯を知っておけば、
会社に依存することなくトレンドに合わせて成長していくことができます。

自分を知るために、自分と違う人と沢山触れ合える部活の環境は最適です。
若い学生の時期に、自分をしっかりと知ってください!!