安海将広(ビジネスコーチ) 前編 ~ダンスで学んだ今につながるコーチングマインド~

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1984早稲田大学商学部卒。
千代田火災海上保険(現あいおい損害保険)入社、後に独立。
その後、ビジネスコーチとして活動開始。中小企業の次世代経営幹部育成と企業理念浸透を個別支援と研修の両面から総合的にサポート
2008年コミュニケーション道場「以心伝心」を設立し、現職

 

■栄光を再びつかむために

入学した当時は早慶が両雄で強く、6回あるレギュラー戦をそれぞれで3回ずつ分け合っていました。
といってもスタンダードが強かったのですが、ラテンはそんなに強くなかったんです。
1年生のクセに燃えてしまって「僕がラテンで勝ちます!!」と宣言しました。

その時に1つ上の先輩だったのが皆さんもよく知っている中西先輩ですね。
よしやってやろう、と鬼特訓を受ける日々が始まりました。

入ったころは強かったのですが、2,3年生の人数が少なく、個人優勝はあるものの、
残念ながらその間はレギュラー戦の団体優勝はできず。

ですが、ようやく自分が4年生の頃に再び秋の六大学で団体優勝できました。
自分もチャチャチャで優勝することができ、さらにFMの優勝もとても嬉しかったのを今でも覚えています。

■当時の練習風景

夏の合宿はまず男性だけで1週間行っていました。
ひたすら、ひたすら筋トレの合宿です。
スクワット1000回とか、、、逃げ場のない僻地での合宿ですが逃亡者が出たりするような環境でした。

その後、提携校の女子大との合宿があります。当時は3つの提携校があったので、計3回行う、と。
もうほとんど夏の間はずーっと合宿でした。

それから試合前の一週間は、朝6時に集まって練習でした。
試合って朝早くからやりますよね。
その身体に慣れるためにも朝早く起きてすぐに動けるトレーニング、という意味合いです。
戸山公園でFMの練習をしていましたね。
ちょっと高台になっているところからチーフが指示を出したりしていました。

 

今だとちょっと考えられないような練習風景かもしれませんね。

 

■ダンスの師匠の教えを忠実に

自分自身が成績が出せたのには今考えるとダンスの師匠の教えが色濃く影響していました。

・下手でもいいから目立て!!

とにかく身体を大きく使って目立つように教えてもらいました。
とある試合でジャッジの先生からわざわざ直接「君は見るに堪えない」と言われたこともあります。
でも見てもらわないことには始まらないですよね。
マイナスからのスタートなので、ちょっとうまくなっただけで周りからの評価がとても上がりました。モチベーションの後押しになっていたように思います。

・イメージの力が重要
コーチから「勝ったら1ポンドステーキをおごってやる」と言われて勝ちを明確にイメージする癖がついていました。
マチュアの試合では勝てていたこともあったかもしれませんが、
勝つことへのイメージをどんどん高めて集中力をあげていきました。ゾーンに入っていくという感じです。
 
そうすると、オナーダンスを踊る夢をすごくリアルに見るようになっていきました。

正夢、というのは夢に正確に見ることができるくらいのイメージを持つことができれば、自ずとその将来を手に入れることができる、という現象だと考えています。
その原体験をこの時することができていました。
 
流れ星を見て3回願い事を唱えられれば叶う、というのも同じだと思います。

流れ星が流れる、というほんの一瞬の出来事の間に「これを叶えたい」と瞬時に思えるというのは普段からその物事について集中して考えているからこそですよね。
だから、結果的に叶う準備が整っていく、という現象なのではないでしょうか。
 
とにかくイメージの力、というのがとても大事です。

当時ダンスの師匠に習った教えは今コーチングの道へ進むことになった根源になっています。

■ビジネスでの早熟な成功と挫折

ビジネスマンとしてのキャリアはまずは保険会社からでした。

とはいえ、なんとなくサラリーマンは向かないな、ということには気づき、
入社して2年で代理店として独立する道を選びました。
猛烈に成績を出していったので28歳のころには年収で1800万を稼ぐほどになりました。

ある程度目標も達成できたので少し休んで、改めて仕事しよう、と思ったのですが、
休み明けに全く以前のように復帰できなかった自分がいました。

目標を達成してしまったことでエネルギーがなくなってしまったのです。

理想の未来と現実とのギャップが、エネルギーを生み出します。
しかし、このときはどうしてもやる気が湧きおこらず、苦しい日々を送ることになってしましました。

もちろん、もっと上を目指す、ということを目標にすべきなのかもしれませんが、
脳のパターン認識というのは非常に早いということをここで学びました。

例えば、初めての海外旅行でハワイに行ったとすると初回はめちゃくちゃ楽しいですよね。ワクワクします。
ただ、これが3,4回と続けていくと、もはやワクワクはなくなってしまいます。
で、じゃあ別の国に行きます、となっても、1回行くだけである程度満足してしまうようになります。

「結局海外旅行だしな」というパターン認識をしてしまうんですね。
認識の延長線上のゴールには魅力を感じなくなってしまうんです。

まさにそういう状態になってしまっていました。

世の中で活躍している事業主は、事業がお金を稼ぐうえでうまくいったとすると、
次は社会貢献をする、など次元を変えて同じことでも別の目標、魅力的なゴールを設定しています。

お金のため、というのは早々に限界が来てしまうんですね。

そんななか出会ったコーチングの分野は常に違った人や状況と向き合い、
解決のためにいろいろな形を変えながらクライアントに与えていくことでした。

お金のためではなく人のためのGive精神。
取り組むことでどんどんエネルギーが湧き出るのを感じました。

■ダンサーはコーチングに向いている

男性だと特に珍しいと思うんですが、
ダンサーは鏡を見ながらひたすら自分の身体との対話をしていきますよね。
これにより客観視の力が自然と身についていきます。

大事なのは事実と解釈がゴッチャにならずに言い分けられるか、聞き分けられるかです。
何が事実として起きているのか。
それをどう解釈して取り組もうと考えているのか。

そしてその内省をカップルとしてチームビルドしてすり合わせていく必要があります。

個人→カップル、さらに団体優勝を目指して、大きなチームも作っていく。

その中で共有感をいかに作っていくか、というのが課題になってきます。
社会に出てもそれは同じです。

競技ダンス部ではまさにそういったことを学びましたし、
今現役の皆さんは是非この興味深い課題に全力で取り組んでもらいたいと思います。


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